品質チェック(連続性・面品質・水密性)— 製造に入る前の合否判定
Q: このページの目的は?
A: Rhino/Grasshopperで形状を作ったあと、**製造に入る前に「どこを見るべきか」「合否は何で決めるか」「落ちたら次に何を直すか」**を、チェック項目として一箇所にまとめます。3Dプリント目的では特に、水密性(Watertight)・薄肉・自己交差が失敗の主因になります。
目的別:必須チェックの強度
Q: 3Dプリント目的で“必須”の品質チェックは何ですか?
A: まずは次の3点が必須です(これが通らないと、スライサーで破綻します)。
- 水密性(Watertight): 意図しない穴や開いたエッジがない
- 薄肉・自己交差: 肉厚が確保でき、オフセット/シェルが破綻していない
- 単位・公差の整合: 変なスケールや“Joinできない”状況になっていない
より詳細な前提は以下も参照してください。
1) ジオメトリが“壊れていない”か(最低限の健全性)
Q: 「データが壊れている」疑いがあるとき、最短の診断は?
A: 目的の形式ごとに、まずこれを実行します。
| 対象 | コマンド | 何が分かるか | 合格条件 |
|---|---|---|---|
| Brep/サーフェス | Check / SelBadObjects | 数学的な破損(Bad Object) | SelBadObjects が何も選ばない |
| Brep(ソリッド性) | ShowEdges(Naked Edges) | 開いた縁(意図しない穴) | 意図しない場所に Naked Edges がない |
| Mesh | CheckMesh / RepairMesh | 穴・法線・自己交差などの傾向 | 重大なエラーが解消している |
2) 水密性(Watertight)と“殻”の成立
Q: 3Dプリントに必要な「Watertight」とは何ですか?
A: スライサーが **内外判定できる“閉じた殻”**になっている状態です。典型的には以下のどれかが原因で失敗します。
- 意図しない穴(開いたエッジ)
- 自己交差(面が突き抜けている)
- 内部に不要な面(“板”)が残っている
Q: Watertightの合否を、Rhino上でどう判定しますか?
A: まず ShowEdges(Naked Edges)と断面の目視を組み合わせます。
- 穴の検出:
ShowEdgesで意図しないNaked Edgesが出ないか - 内部確認:
ClippingPlane等で断面を確認し、内部に不要な面や隙間がないか
3) 面品質(見た目の滑らかさ)と連続性(G0/G1/G2)
Q: 3Dプリント目的でも、連続性(G0/G1/G2)は重要ですか?
A: 機械加工ほど“必須”ではないことが多い一方で、外観(塗装/研磨/鋳造型)や後工程によっては重要になります。判断は次の基準で行います。
| 観点 | 3Dプリントでの重要度 | 見るべき症状 |
|---|---|---|
| G0(位置連続) | 必須 | 隙間、スライサーで欠損 |
| G1(接線連続) | 高め | 段差感、ハイライトの折れ |
| G2(曲率連続) | 条件次第 | ハイライトの“うねり”、研磨で目立つ |
Q: Rhinoで面品質を“手早く可視化”するには?
A: まずは視覚的な分析(ハイライトでの破綻検出)を行います。
Zebra/EnvironmentMap(ハイライトの連続性を見る)CurvatureAnalysis(曲率のムラを見る)
Q: G1/G2が必要な用途(CNC/金型/解析など)で、具体的に何を見てどう直せばいいですか?
A: 用語の説明ではなく「症状→検査→修正」の流れでまとめたページを用意しています。
※曲線側の連続性(点列→曲線、G0/G1/G2)も絡む場合は、GH側の考え方として 直線・円弧(LINE/ARC)で点列を再現(DXF) も参照してください。
4) 落ちたときの“次の打ち手”(最短の戻り先)
Q: チェックに落ちた場合、どこに戻るべきですか?
A: 症状で戻り先を固定すると迷いません。
- Naked Edgesが出る: まず“閉じる/合う”方向の修正(Join/端点/境界)へ。無理に最後で塞がず、原因箇所の構造を直します。
- 厚み付けで自己交差: 可変厚み(1mmベース+局所補強)を破綻させない手順 の方針に従い、分割して局所的に処理します。
- メッシュが壊れている/重すぎる: 微細修復に時間をかけず、メッシュ原型 → SubDへ(QuadRemeshを軸に再構築) へ切替えて再構築を優先します。