G0/G1/G2連続の実務:症状→検査→修正(CNC/金型/解析向け)
Q: このページの目的は?
A: 「G0/G1/G2」を用語で終わらせず、**CNC/金型/解析で問題になる“見え方/当たり”**を基準に、Rhinoでの 検査(可視化)→原因の切り分け→修正 を最短で回せるように整理します。
前提:
- 断りがない限り Rhino 7/8 を想定します。
- ここで扱う主対象は NURBS/Brep(サーフェス/ソリッド) です(SubDは
ToNURBS後に評価するのが安定です)。
まず結論:CNC/金型で“どこまで必要か”
Q: CNC/金型/解析で、G0/G1/G2はどこまで必要ですか?
A: 目的で優先度が変わります。迷ったら **「まずG1を成立させ、必要部位だけG2を狙う」**が安全です。
| 連続性 | 何が揃っているか | 現場での症状 | まずの目標 |
|---|---|---|---|
| G0(位置連続) | 隙間がない | 研磨以前に“段差/欠け/隙間”になる | 必須 |
| G1(接線連続) | 接線方向が揃う | ハイライトが折れる、当たりが出る | 高優先 |
| G2(曲率連続) | 曲率の変化が滑らか | ハイライトが“うねる”、高光沢でムラ | 条件次第 |
症状から入る:よくある“見え方”の違和感
Q: 「G1が足りない」典型的な見え方は?
A: Zebra や EnvironmentMap で 線が“折れる/角が立つ” ように見えます。研磨後・塗装後に目立ちやすいです。
Q: 「G2が足りない」典型的な見え方は?
A: 線は繋がって見えるが、**線の間隔や流れが急に変わる(うねり/ムラ)**ように見えます。高光沢・大きな曲面で出やすいです。
検査(可視化):最短の3点セット
Q: Rhinoで連続性を“手早く”見るには?
A: まずは次の3つで十分です(いきなり数値評価より、症状の可視化が速いです)。
Zebra: ハイライトの連続性(折れ/うねりの検出)EnvironmentMap: 反射環境での見え方(全体のムラ検出)CurvatureAnalysis: 曲率の偏り(ムラ/急変の検出)
関連: 既存の合否判定の入口は 品質チェック(連続性・面品質・水密性) を参照してください。
原因の切り分け:まず疑うべき“前提崩れ”
Q: 連続性を作る前に、まず揃えるべき前提は?
A: フィレットやブレンドを“後付け”できるCAD的発想がうまくいかないときは、だいたい次の前提が崩れています。
- 未トリム面が足りない: トリム境界が近すぎて、滑らかに繋ぐ“余白”がない
- 面の延長不足: 交線周りで面が短く、ブレンド領域が確保できない
- 曲線が汚い: 断面/レールの曲率が暴れていて、面の曲率も暴れる
- 公差が合っていない: Join/Intersectが不安定で、以降が全部ズレる
公差と単位の前提は 単位・公差・メッシュ健全性 を参照してください。
修正(Rhino):基本の2系統(Match vs Blend)
Q: G1/G2を作るとき、MatchSrf と BlendSrf はどう使い分けますか?
A: ざっくり次の方針です(形状と要求で逆転もあり得ます)。
MatchSrf: 既存の面を「指定連続性で一致」させたいとき(面構成を維持しやすい)BlendSrf: 2つの境界を「間に滑らかな面を新規生成」したいとき(仕上げ面として使いやすい)
Q: “CADなら一発”に近い結果を出すには、どこを先に直すべきですか?
A: ブレンド/マッチを当てる前に、まず 「面の余白(延長)」「曲線の整流」 を先にやるのが近道です。ブレンドは魔法ではなく、入力が汚いと出力も汚くなります。
ワークフロー(最短の戻り先つき)
Q: 連続性が出ないときの、最短の戻り方は?
A: 迷うのを避けるため、次の順で原因を潰します。
Grasshopperでの扱い(比較)
Q: GrasshopperでG1/G2品質まで作り込めますか?
A: できますが、CNC/金型/解析レベルの仕上げ面では、次の理由で 最終調整はRhino側(解析ツール併用)が安定です。
- GHは“手順の再現”は得意だが、ブレンドの微調整は形状依存で試行錯誤になりやすい
- トリムや交線の更新で、下流が壊れやすい(設計基準の持ち方が重要)
方針としては、GHは 基準(断面・レール・交線)を作る役に寄せ、面品質の合否はRhinoの Zebra 等で必ず確認してください。
次に読む
- フィレット/面取りを「CADなら一発」感覚でやると躓く理由: フィレット/面取り:なぜRhinoは難しくなるか(CAD比較)
- 面構成から“最後にブレンドで仕上げる”手順: サーフェスモデリングのフィレット/ブレンド手順(推奨順序)